台湾、生態系ホットスポットから野良犬を移転

台湾は2017年2月に「殺処分ゼロ」政策を正式に施行し、アジアではインドに次いで2番目に、野良犬に対する人為的な処分を取りやめた地域となりましたが、施行から6年が経過した現在、野良犬の総数は16万頭に迫り、犬が集まる場所では、車の追いかけや人間の追い回し、怪我などの事故が時折発生しています。このため、野生動物保護論者と動物保護団体の間で論争が起こり、過激な野生動物保護論者が淘汰政策の再導入を主張することさえあります。

野生動物保護論者と動物保護団体の激しい対立を経て、野生動物の生息地、いわゆる「生態系ホットスポット」に野良犬を入れるべきではないというコンセンサスが徐々に得られ、そのため、政府は野良犬対策として、野生動物の主だった生息地の選定をすべきだという。

一部の動物保護団体は、野良犬たちは自由な生活に慣れており、ケージでの生活に適応できないと考え、台湾の保護シェルターを徐々に変えていきたいと考えています。動物保護団体は、犬の脱走を防ぐ為に、二重のフェンスに囲まれ、二重のドアが設置されたたシェルターを要求しています。理想的に聞こえますが、それには広大な土地が必要となり、台湾では前例もなく、不確定要素が多いのです。

長期間にわたるケージ飼育は、動物の異常行動につながることが研究で示されています。

2022年9月にアラバマ州に開設されたビッグ・ドッグ・ランチ・レスキューを例に挙げると、100エーカー(404,685.642㎡、東京ドーム8.5個分)の敷地に16棟の建物と広い芝生エリアを持ち、年間推定5,000頭の犬を収容できます。実際、そこはもともと犬の訓練施設であり、建物はすでに存在していたため、少し手を加えるだけで使用することができました。台湾でケージフリーのシェルターを作るには、廃校や廃工場などの使われていないスペースを改装するのが一番手軽なようです。

台湾のケージフリーのシェルターが、一体どのようなものになるのか、今年の7月には明らかになるようです。