2022年2月、台湾の動物保護行政当局が「犬の飼育に関する手引き」(以下、「犬飼育ガイド」)を発表しました。広く注目されることはなかったのですが、種を問わず、全てのペットに対して専門の飼育ガイドを設けることを宣言し、飼育者が心身ともに健康を保つことが不可欠です。このことは、台湾の動物福祉分野の歴史に残る重要な意味のあることです。犬の飼育ガイドに続き、ウサギ、ネズミ、ハリネズミ、鳥などの飼育ガイドが民間で作成され、大きな成功を収めています。
犬の飼い方に関する本や図鑑はごまんとあるのに、なぜ政府はわざわざ犬の飼育に関する手引きを別に作ったのでしょうか。15ページのガイドは、まず「5つの自由」の原則に沿った動物福祉指標の確立が主目的であることを述べています。先進国の飼育ガイドラインに基づき、動物科学分野の専門家のアドバイスを組み合わせ、犬の習性や一般的な身体的・心理的条件に合わせた飼育が基本となっています。
ドイツ動物保護法に基づき、飼育における自由の5原則を以下のように実施しています:
- 動物には、その習性と生理状態に必要な栄養、世話、環境を与えなければならない。
- 動物の習性に基づく活動は、痛みを与えたり、動物に不必要な怪我をさせたりするような方法で制限してはならない。
- 動物の生息状況や生理状態に合わせて、必要な栄養やケア、環境を提供するための知識と技術が必要とされる。
このガイドラインは、ドイツの犬法、イギリスの犬福祉実践ガイド、日本の家畜等飼養保管基準や、人口密集地における犬・猫の適正飼養ガイドなどを参考にしています。そこで、台湾で一般的に見られる「檻犬」と「鎖犬」について、それぞれ別の規制を設けています。檻の中で生活し、立ったり伸びたり振り向いたりすることができない犬の問題解消を期待して、檻の底面積や高さは犬の体高や胴回りによって決めることができるようになっています。また、飼い主には、毎日少なくとも20~30分の散歩に出かけることを勧めています。
犬はもちろん、安価でライフサイクルの短い動物であるネズミやウサギなどの小動物も不適切に飼われているケースがまだまだ多いのが現状です。
例えば鳥は、蜜を吸う種類、穀物を食べる種類、虫を食べる種類に分かれていて、餌を間違えると健康被害が出ることがあります。動物が好きな人は複数の種類のペットを同時に飼っていることが多く、ネズミや鳥だけでなく、猫や犬を飼っている場合もあり、ネズミや鳥が猫や犬に怯えたり、ケガをしないようにきちんと対策する必要があります。
世界愛犬連盟は、犬猫の食用禁止の法制化を優先していますが、生命を尊重し、血統犬種であろうが雑種であろうが、高価なゴールデンハムスターであろうが、低価格のハムスターであろうが、動物を区別すべきでないと考えています。