台湾焦点 – 台湾でペット管理局が発足

農業省ペット管理局の設立式には、犬4匹と猫2匹を飼っている蔡英文がVIPとして出席し、訓練された介助犬を同伴しました。

2022年4月3日、動物愛護を管轄する台湾農業省は、新たに設置したペット管理局の設立式典を開催しました。

2021年8月に殺処分された154匹の密輸猫がきっかけとなり、この管理局が急設されたと言われています。短期間での設立のため、本年度の予算作成は間に合わず、特別積立金からの支出となりました。スタッフはすべて他部署から採用しました。ペットとして飼われている動物は他種多様ですが、ペット管理局では現在、犬と猫を中心に、衣食住、輸送、繁殖、娯楽などのペット産業を効果的に規制し、法律に盛り込みたいと考えています。

154匹の密輸猫が犠牲になった痛ましい事件の再発を防ぐため、ペット管理局は、農作物の生産履歴をとっているのと同様に、ペットの取引記録を

把握できる経歴管理システムを構築し、違法行為や密輸動物に関する取引を隠蔽できなくする計画です。

また、グリーンイグアナやアライグマなど、生態の危機を招きかねない「外来ペット」の問題もようやく深刻に受け止められ、ペット管理局はまず 市場で売られているさまざまな種を追跡し、飼育可能なものをホワイトリスト化し、飼育厳禁なものをブラックリスト化し、分類‧等級管理システムを実行することになりました。

設立記念式典には、4匹の愛犬と2匹の愛猫と暮らす蔡英文氏が出席しました。彼女は、「一緒に暮らす動物は、どんな種類でも仲間であり、お互いの感情を大切にし、ペットと呼ぶことができる」と考えていたので、ペット管理局の「ペット」の定義に最初は戸惑ったそうですが、彼女は、ペット管理局に大きな期待を寄せています。動物との共生をコアバリューとし、ペットのあらゆるライフステージにおける管理‧世話を担う社会のあらゆる方面のエネルギーを結集し、より良い動物福祉システムを構築することを望んでいます。

蔡英文氏の感傷的な言葉を述べたのに対し、台湾には250万匹のペットがいて、毎年10%の割合で増えており、2040年には1200万匹にのぼると推定され、現在の500億ドルをはるかに超える市場価値が生まれる見込み。ペット管理局を設置して管理する必要があるだろうという陳吉仲農業大臣の計算は実に現実的です。

世界愛犬連盟(WDA)は、台湾当局が伴侶動物を重視し、あらゆる面で犬や猫の面倒をみながら、完璧な福祉システムを構築しようとしていることを嬉しく思っています。しかし、16万匹近い飼い主のいない野良犬が見過ごされないことも願っています。彼らはペット産業にほとんど貢献していないように思われがちですが、野良犬こそ人によるケアと援助を最も必要としているグループです!