2020年10月1日、 テレビのニュースで痛々しくもがくツキノワグマを見た台湾の人々はショックを受けています。 熊は果樹園内で左脚に罠ががっちり食い込み、逃れるために自らの足を噛み切ろうとしていました。 口や鼻先が血まみれの姿は人々を悲しませました。 救助に18時間半を要しました。 台湾ツキノワグマ保存協会(TBBCA)は、 熊が罠にかかって指を切断しなければならなかったのはこれが3度目だと確認しました。
「台湾の代表的な動物でもあるツキノワグマ」の悲劇と、 頻繁に目にする切断された野良犬の映像が動物の捕獲に対する市民の懸念を引き起こしました。 羅致政議員は、 10月21日に「動物保護法」を改正し、 動物の捕獲に関する不適切な方法を禁止する法案を提出しました。 残念ながら、「動物保護法」と「野生生物保護法」が再び対立し、 行政機関が法を行使する能力を制限してしまっています!
動物保護法14条―4では、 動物の脚罠は許可なく動物の捕獲目的で使用してはならない、 また中央省庁の許可なく製造、 販売、 展示してはならない。 違反者は15,000台湾ドル以上75,000台湾ドル以下の罰金を科すと定められています。
また、 野生生物保護法第19条では、 罠、 トラばさみ、 または狩猟用の特別な道具は使用できないと規定していますが、 免除があります。1つめは、 農作物、 養鶏、 家畜、 魚類の養殖に対する脅威の防止です。 もう1つは、 台湾先住民による狩猟、 屠殺など、 伝統的な文化と犠牲です。
野生生物保護法は、 農家が自分の土地に罠を仕掛けることを許し、 法律の抜け穴となっています。 管轄当局である農業評議会は、 違法な動物捕獲の罠の調査をする権限をもたないため、 脚罠や自作のトラばさみなどの使用が横行しています。
2020年11月18日、 苗栗県(ミアオリー/びょうりつ けん)の地方自治体が農民による動物の罠の配置を黙認していることを明らかにしました。 その結果、何百匹もの野良犬、野良猫が脚を失いました。 脚罠やトラばさみなどの動物の罠に関して厳しく調査してきた新北市の動物保護局は、 禁止された罠がインターネット取引サイトで普通に販売されていることを発見しました。
羅致政議員の提出した動物罠の禁止法案は歓迎されていますが、 可決されても行使は難しいでしょう。 動物をひどく傷つける罠の使用禁止をどのように人々に教えるのか、 それを法制化の前に研究する必要があります。