国会論戦に向けた準備作業

日本の国家予算は4月から3月までの年度制です。 2020年4月~2021年3月は2020年度、 2021年4月~2022年3月までが2021年度となります。

目下、その2021年度予算案が衆議院で審議中ですが、予算案の衆議院通過を見越して衆議院議員は各委員会で議題とする内容を準備する作業を始めています。 環境委員会でも各議員が政策課題の洗い出しをしていますが、動物愛護政策については、どのような課題が議論されるのでしょうか。

国会図書館がまとめた資料によると、論点は37項目。 最も多いのは昨年夏ごろ続発した北関東地方での家畜窃盗関連、次いで多頭飼育崩壊、動物愛護法改正と続きます。 コロナ禍の影響により自宅で過ごす人が増え、犬や猫を飼い始める人が急増したものの十分な知識を持たないままペットを迎え入れたことから、結果としてペットを手放したいという相談が増えたという課題もあります。

世界愛犬連盟が主張する犬猫肉食用禁止国際条約化に呼応した超党派の有志議員が首相官邸に要望書を提出した動きも含まれました。 なかでも多くの議員が関心を寄せているのは、環境省が作成中の「基準の解説書(仮)」でしょう。解説書は6月に施行される動物愛護法改正時の飼育管理基準を明確に示すもので、各議員はもとより動物愛護に関する活動をしている人が重大な関心を寄せいています。 悪質な業者の撲滅を目指す法改正ですが、一部懸念されている動物愛護団体の活動の制約とならないことを願っています。

犬猫肉禁止と動物福祉という世界的な流れは日本の国会にも届いています。世界愛犬連盟は有志議員と連携しながら課題解決に取り組んでいきます。

写真:国会議事堂から皇居、東京駅方面を望む(オリジナル)