香港焦点 – 動物虐待の罰則強化

近年、香港では動物虐待事件が多発しています。2016年以降、毎年平均300件の動物虐待事件が報告されていますが、そのうち起訴されるのは6件に1件程度です。動物虐待防止条例に違反した者は、最高20万香港ドルの罰金と3年の禁固刑に処されます。

動物の権利や命の平等の概念を推進するのであれば、罰則を強化し、加害者の最高刑を無期懲役とする人身侵害禁止条例の第17条を参考にすることを検討すべきではないでしょうか。

実際、政府はすでに動物虐待防止条例の改正案を提出しており、最高で懲役10年、罰金200万香港ドルにまで罰則を強化し、抑止力の強化を図ることを提案しています。世界愛犬連盟(WDA)としては、政府の改正案の罰則はまだ人身侵害禁止条例の17条には程遠いものだと思いますが、動物福祉の向上に対する政府のコミットメントを示すものであり、良いことだと考えています。

しかしながら、WDAは、この改正が動物福祉の向上に有効かどうか疑問視しています。罰則を強化しても、起訴される率が低いままでは何の役にも立ちません。政府は、動物虐待の根本原因に踏み込み、動物を守り、悲劇を未然に防ぐために、起訴する率を高めることも必要だと考えます・