中国における犬猫食肉禁止、起業家玄陵氏:「動物の権利保護のマイルストーン」
日本国籍を持つ中国人起業家の玄陵氏、「中国政府は世論に耳を傾けることにしたのです。 世界もこれに続くべき時です。 地球上のどの国においても犬や猫は食べられるべきではない。」
2020年4月10日 アレッサンドロ・サラ
「これは大きな勝利であり、動物の権利保護のマイルストーンである。 中国政府が世論に耳を傾け、より文明的な社会になることを示している。」
玄陵氏は喜びに満ち溢れています。 北京の農業農村省は、人間の食用品目から犬と猫の肉を除外することを発表しました。 異例の決定です。 玄陵氏は日本の市民権を持つ実力者であり、動物保護の法制化に専念しています。 上海で生まれ、現在は香港に住んでいます。 財産の90%を慈善活動に寄与し、10%を家族に残すと約束しましています。 中国における犬猫肉の禁止を推し進める上で顕著な貢献をした人物です。
動物を守ることが玄陵氏の生涯の使命です。 彼は世界中の犬猫肉の食用禁止の法制化を目指して世界愛犬連盟を設立しました。 この度の中国の動きは彼にとって大きな成功といえます。 コロナウイルスは、自由市場に対する国民の懸念を生み出しました。
ちょうど1ヶ月前の3月6日、玄陵氏は多くの中国の国会議員との接触機会を得て、農業農村省に犬猫肉の食用禁止を要請しました。 犬や猫は、伴侶動物であり、他の動物よりも人間と親密です。 法案は法律として施行される前に公的な協議を行わねばなりませんが、中国政府は決定を持って措置を講ずることから、成功は間違いないでしょう。
起草された法案は、公開後に改訂されることは滅多にありません。 農業農村省による追加詳細文には、「文明的進歩」と「動物保護」が明確に述べられています。 「犬は伴侶動物に格上げされました。 国際社会では家畜として扱われてない。 我が国も家畜として挙げるべきではない」と。 したがって、法案が通過するす道筋がすでにあるのです。
コリエーレ・デラ・セラの玄陵へのインタビュー
中国は犬や猫を「ペット」と考え、犬猫肉の食用を禁止するようです。 これはあなたが長年求めているものですが、これを勝利ととらえますか?
これは大きな勝利であり、中国における動物の権利保護の重要なマイルストーンです。 政府機関による発表は、中国政府が世論に耳を傾け、より文明的な社会になろうとしていることを裏付けています。
国際的な圧力が農業農村省の決定に一役かったと思いますか? 変化はありましたか?
我々の国際的な成果は他の国に影響を与えていないかもしれません。 例えば、世界犬連盟は、2018年12月12日、米国における犬猫肉の食用禁止を要請する米国議会に対するロビー活動に成功しました。 コリエーレ・デラ・セラ以外の国際的なメディアは滅多にこの問題を取り上げないので、国際的な潮流を作り出すのは簡単ではありません。
世界愛犬連盟(WDA)が各国に「犬猫の食用を禁止する国際条約」の締結を要請しているのは、まさにこのためです。 国際条約は、アジア諸国の法制化を促進するための素晴らしいツールです。 我々の目標は、すべての国における犬猫肉禁止です。
コロナウイルスの緊急的役割についてのお考えは?
ご承知のように、コロナウイルスの流行は野生動物の肉の食用によって引き起こされています。 この機会を逃さず、中国政府の指導者に「健康のために野生動物の肉の禁止、道徳のために犬猫の肉の禁止」を促す書簡を送りました。
このコロナウイルスは、長い間無視されてきた問題に世界的な焦点をあてたという意味で、新しい法律に関しての役割を果たしたと言えます。
戦争ではありませんが、重要な戦いに勝利しました。 他の国では犬猫の食用を許しています。 今後の活動についてお聞かせください。
我々は日本においても成果をあげています。 2020年2月19日、日本国会に「動物福祉に関する超党派の議員連盟」が設立されました。 この議員連盟の主な目的の一つは、日本における犬肉の禁止を法制化することです。 私は、イタリアの動物福祉議員連盟の会長であるミケーラ・ブランビラ下院議員から、この議員連盟のアイデアを教わりました。
ミケーラが与えてくれた素晴らしいアイデアのお陰で、今では多くの日本の議員が我々の活動を支持しています。
世界犬連盟は、例えば、犬や猫を食用と考えていない、イタリアや米国などの国も含め、世界中における禁止拡大を目指す理由を教えてください。
アジア諸国の多くの人々は、「欧米諸国でさえ犬猫肉を禁止していないのに、なぜ自分達が法制化しなければならないのか」と考えているのです。 イタリアと米国における禁止の可決は、彼らの考えに対する良い反論となります。
特に野生動物の生体販売と屠殺をする市場、いわゆるウェット・マーケットの廃止を多くの団体が国連に求めています。 これのついてのお考えは?
私自身も野生動物の肉禁止の支持者ですが、私は犬猫に焦点を当てています。 そこに全力を尽くし突破口を作るためです。
私とミケーラ・ブランビラ下院議員の動物福祉に対する強い信念は非常によく似ていると思います。彼女は全ての動物の福祉の改善に取り組んでいて、私は犬と猫に焦点を当てています。
養殖種が多くの人々にとってより入手可能であっても、依然として野生動物の人気が高いのはなぜでしょうか?
多くの人々は迷信から野生動物の肉を食べており、野生動物の肉は健康上の利点をもたらすと主張する人もいますが、科学的証拠はありません。 彼らの間違った考えを払拭するために、さらなる教育が必要不可欠です。
未だに多くの人々が飢餓に苦しんでいる世界において動物保護活動を行う事は難しいですか? どのようにして貴方のメッセージを周知していきますか? 読者へのメッセージはありますか?
コリエーレ・デラ・セラの読者が、中国が文明国家になるために進歩していることを知って喜んでくれることを願っています。 飢餓に苦しんでいる国については、国際政府や慈善活動による支援と教育の提供を要請します。
コリエーレ・デラ・セラはイタリアで最も影響力のある新聞です。 この件に関するあなたの記事は、すべてのイタリアの人々が動向を支持すると確信しています。 前回ミラノで会った編集長、編集者、記者に感謝したいと思います。 皆さんの笑顔をはっきりと覚えています。 その目には動物と人々への愛の眼差しがありました。 ありがとうございました!