動物の権利保護のために絵筆に力を注ぐ:香港の芸術家、標的はアジアの犬肉産業

活動家の彭宏陵氏は芸術的才能を野蛮産業撲滅に向ける

出典: South China Morning Post

起業家で動物の権利保護活動家の彭宏陵氏は、玄陵という活動名で知られています。
写真: 陳小明
起業家で動物の権利保護活動家の彭宏陵氏は、玄陵という活動名で知られています。 写真: 陳小明

香港の起業家で動物の権利保護活動家彭宏陵氏は、油絵を通じてアジアの犬肉取引に終止符を打ちたいと考えています。 玄陵という活動名で知られる58歳の彼は3年前に中国南部の貴州省にある家族の故郷に戻った際に、4階建てのビル犬肉屋で溢れかえる様を見た事ことから、その残虐な産業に反対する活動を開始した。

彼の人生の中で「最も悲しい経験」だったと語る彭氏は、その産業が貴州の伝統の一つであり、地元の人々が犬肉を食べるのは一般的であり、大好物だという人々までいることを知りました。

幼い頃から犬好きの彭氏は大変なショックを受けました。

私の父はかつて、「学校の成績が悪い事を母親に罰せられている時に、彼のペットの犬が間に立って母親を止めようとした」と話していました。 「犬は実に人間のような性質があります。 それをなぜ人間は食べたいのかわかりません。」

毎年恒例の犬肉祭りで知られる広西省ユーリンの市場で販売されている犬。
写真: AFP
毎年恒例の犬肉祭りで知られる広西省ユーリンの市場で販売されている犬。 写真: AFP

彼は上海で生まれ育ちましたが、人生の大半は、アメリカ、日本、香港で仕事をしながら暮らしています。 彼は貴州を訪れるまで、人々がいまだに犬を食べていることは知りませんでした。

彼のような多くの活動家が動物の権利保護を促進するために懸命に取り組んでいるにも関わらず、この慣行がいまだに許されていることが理解できないと話します。

アジアの長年の伝統と低コストの調達価格による犬肉取引がこの産業を持続させています。

「まず、彼らはそれが伝統だと信じています。 ですから、その習慣を止めようとしても、彼らには犬を食べる権利があると言うでしょう。」「犬肉を食べることで長生きできると信じている人もいますが、これは全くの嘘で、科学的証拠は一切ありません。」 「最後に、これらの犬の多くは盗まれたペットですから、取引する者にとっては低コストで高利益を得ています。」

彭氏の作品であるジュビラント・ギャザリング:ポーカーをする10匹の犬
写真: 彭宏陵
彭氏の作品であるジュビラント・ギャザリング:ポーカーをする10匹の犬 写真: 彭宏陵

貴州での不快な経験の後、彭氏は犬食習慣の調査を開始し、中国、韓国、ベトナムを含むアジア全土で毎年3000万匹以上が食べられていることを知りました。 そのほとんどが盗まれた犬でした。

2014年にドキュメンタリー映画「Eating Happiness」で、彭氏はベトナム、韓国、タイ、中国の裏通りや農村を訪れた際の犬肉取引の残忍さを暴露しています。

同年、彼は香港に NPO の世界愛犬連盟を設立し、未だに犬肉の食用を許す国に対して食用禁止の法制化を求めています。

彭氏は当初、2年間を費やしたドキュメンタリー映画により観客に不穏な事実を見せることによってその習慣を止める助けになるだろうと思っていました。 しかし、より効果的な油絵という武器を持っていることに気づいたのです。

この作品は、ユーリンの犬肉祭りを描いています。 写真: 彭宏陵
この作品は、ユーリンの犬肉祭りを描いています。 写真: 彭宏陵

「多くの人は、醜い真実の写真や画像に不快感を覚え、恐怖に苛まれる人までいる」と、彼は言います。 「犬を愛するに人は見ることさえ恐怖です」 彼のドキュメンタリーの残虐なシーンは、多くの人に拒絶されました。

そこで彭氏は、映画に収められている残虐なシーンを避け、油絵によりメッセージを伝えることにしたのです。 そしてより多くの聴衆に受け入れられるようになったのです。

彭氏は常に絵に情熱を注いできました。 若い頃のアート作品は、彼自身の人生と社会に焦点を当てていました。 しかし過去3年間は犬をテーマにした作品を制作しています。 貴州と州境を接する広西省の都市であるユーリンの犬の商人を描いた作品は、捕らわれて痛めつけられている犬の様子ですが、これは救出しようとしない動物愛好家に対する脅威として描きました。 ユーリンは毎年6月に行われる犬肉祭りで悪名高い町です。

彭氏のお気に入りは心温まる絵です。 10匹の犬がポーカーをしているジュビラント・ギャザリングという高さ2メートルの作品の隣に立つ彭氏は、「私はポーカーをするのが好きで、アメリカ、香港、カナダの家に10匹の犬がいます。 そこからインスピレーションを受けました」と話します。

この作品は、観塘(香港のクントン区)のキングパレスプラザにある彼のアートギャラリーでの最初の個展で紹介された大きな絵画のシリーズ30作品の一つです。 個展は9月26日から28日まで一般公開されます。

彭は氏、このような大きな絵を通して、犬に対する彼の無条件の愛を表現することができると語っています。

「自分自身の人生を大切にするのと同じくらい犬を大切にしています」とも語った。