[日本焦点] 殺処分ゼロ議員連盟勉強会

5月24日、衆議院第2議員会館で「超党派犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」の勉強会が開催されました。

尾辻秀久会長は、長年の悲願であった動物愛護法の改正が動物愛護団体や所属議員らの努力によって実現したことに謝意を述べ、昨年6月1日の改正動物愛護法施行、そして今年6月1日施行の動物取扱業の飼養保管基準改善、さらには来年施行予定のマイクロチップ制度化について展望を語りました。勉強会は環境省から動物愛護に関する現状報告があり、その後、所属議員や動物愛護団体からの質疑応答となりました。

まず話題となったのは、横浜市の男性が飼育していた体長約3・5メートルのアミメニシキヘビが行方不明となり、17日後、屋根裏でようやく発見された事件でした。

保護されたアミメニシキヘビは飼育していた男性の申し出により横浜市へ譲渡され、横浜市は茨城県の販売業者に渡すことになりました。

環境省はアミメニシキヘビが保護され、適正な流通ルートに戻ることができて安堵していましたが、出席した環境保護団体の関係者によると、その販売業者には問題が多数あるので予断を持って本件の幕引きを図らないよう苦言が呈されました。

小宮山泰子副会長ら複数の議員からも懸念が示され、環境省に引き続き対応するよう要請がありました。

勉強会で最大の関心事となったのは、6月1日施行の飼養基準21ページで示されている「職員1人当たりの飼養保管頭数の考え方」でした。

例えば、ペットショップの店員が2名の場合、数値規制では1人で犬20頭(猫は30頭)なので犬40頭を管理できることになります。

しかし23ページなどを参考にすると、ある日は1人で犬40頭、ある日はアルバイトを含め1・5人で犬40頭を管理する勤務体制となり、数値基準を満たせない日があります。

そもそも数値基準では1人で犬20頭しか管理できないことになっていますが、ペットショップは来客が多い休日に店員を多く配置するため、平日は少ない店員で営業しているのが実態です。

出席議員から「わかりずらい」「誤解を生むのではないか」などの意見が噴出しましたが、環境省は「常勤と非常勤」の勤務形態の違いなどもあり基準を示した、との答えにとどまりました。

コロナ禍でペットが増えたものの、飼育に行き詰まり、結果として殺処分数が増えているようだ、との藤末健三議員の問題意識に対して環境省は、昨年度の全国の殺処分数については今年末に公表見込みだとの回答がありました。

国会は6月16日の会期末を前に法案審議が重ねられています。

出典:http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/r0305a.html