3本足の犬

唐犬(チャイニーズハウンド)は、中国、特に広東省で古くから存在する犬種です。香港では非常に一般的な犬種ですが、「野良犬」「低価格犬種」「工事現場の番犬」などと偏見的にみられる事が多いのです。文明の進歩と平等化により、唐犬の社会的地位が向上しています。介助犬として唐犬を導入している組織もあります。

7歳の唐犬のタクシウォン(的士黄)君は、野良犬だった子犬時代に交通事故で右前足を失いました。幸運にも、彼は唐犬クラブの創設者であるレベッカに引き取られ、新しい人生を歩み始めました。タクシウォン君は、最近、動物介在教育プログラムに参加し、介助犬になりました。現在、9頭の介助犬がおり、プログラムは大きく前進しています。このプログラムを始めた香港大学ソーシャルワーク・社会管理学部の准教授で臨床心理学者のポール・ウォン(黄蔚澄)博士は、「このプログラムは、子供たちに動物を愛する機会を与えてくれます。中には犬に対するイメージが変わり、犬と接することを怖がらなくなる子もいます。」と話しています。レベッカさんは、このプログラムが唐犬に対する偏見を払拭するのに役立っていると考えています。また、社会の唐犬に対する差別が減ってきていることにも満足しているそうです。

出典:香港アニマルポスト

著者メモ: 世界愛犬連盟(WDA)は、すべての犬は生まれながらにして平等であり、犬種によってその価値が変わるとは考えていません。唐犬は社会的に差別されてきました。今こそ、杓子定規な考え方をやめる時です。動物介在教育プログラムは、子供たちに唐犬を知ってもらうのと同時に、種の社会的地位を向上させました。これは動物愛護教育として非常に意味のあることだと思います。WDAは現在、動物福祉教育を標準カリキュラムに取り入れ、授業で子供達に動物保護の概念を植え付けることを求めています。