香港では、イノシシが深刻な問題となっています。野生のイノシシの増加により、 市民への危害も増加しています。11月9日に警察官が野生のイノシシに襲われ重傷を負ったことを受けて、農水省(AFCD)は定期的にイノシシを捕獲して安楽死させるという新たな方針を発表しました。
この新しい方針は、動物愛護団体の激しい怒りをかっています。AFCDは非人道的であると批判し、方針の撤回を求める請願署名が立ち上げられました。同局は 11月15日、イノシシを排除する意図はないと回答しました。AFCD は もともと TNR ポリシーを採用していましたが、市民がイノシシからの危害を受けることが多くなり、それに対応した形です。AFCDは、新しい方針は都市部のイノシシにしか適用されないことを強調し、都市から離れた地方部でのイノシシの保護を継続することを約束しました。
しかし、11月17日に公開されたビデオでは、AFCDがパンを餌にして意図的にイノシシをおびき寄せていたことがわかりました。結果、7匹のイノシシが殺されました。この事件は、動物愛好家たちの新たな怒りを引き起こしました。動物虐待防止協会(SPCA) のような動物愛護団体は、AFCD の殺処分を非難しています。
世界愛犬連盟は、不治の病にかかった動物をその苦痛から解放するためにのみ安楽死が採用されるべきだと考えています。AFCDの行為は「処刑」と何ら変わりません。今回の事件は、AFCDが「言っていることと、やっていることが違う」ことが露呈され、国民はAFCDへの信頼を失っています。さらに重要なことは、問題の本質はイノシシではなく、イノシシに無差別に餌を与える人たちにあるということです。 実際、香港には野生動物に餌を与えてはいけないという法律がありますが、厳密には運用されておらず、起訴される数も非常に少ないのです。仮に起訴されたとしても、裁判官は罰金を科すだけで、時間が経てば世間はその犯罪を軽視します。香港の一部の地域で猿がはびこっているのも、人間が野生動物に無頓着に餌を与えていることが原因です。世界愛犬連盟は、これらの解決策として、法律を厳格に行使と、野生動物への餌やりに対して「禁固刑」並みの刑罰の強化により抑止効果を高めることが必要だと考えています。
世界愛犬連盟は、人間の過ちの結果を動物に負わせることに反対しており、 AFCDが救済策としてより良い解決策を検討することを望みます。長い目で見て、人間と動物が共存できる社会を作るためには、私たちが野生動物との共存を学ばなければなりません。