第203回国会(臨時国会)が、12月5日に終了しました。今国会でも、世界愛犬連盟が目指す犬猫肉食用禁止について議論がなされました。
衆議院農林水産委員会において、串田誠一議員は、日本に輸入される冷凍犬肉が2017年を最後にゼロとなっているのに、日本国内に犬肉を提供するレストランが存在することを述べ、問題点を指摘しました。
さらに、昨年10月にはベトナム人技能実習生が冷凍犬肉を密輸したとして逮捕された事例を紹介し、ベトナムでは食用犬の養殖が禁止されているのに盗まれた犬が日本に持ち込まれているという現実を踏まえ、政府の考えをただしました。
農林水産省消費・安全局長は食品衛生法に則り安全性が確保されれば犬肉が輸入されるのは問題ないとしながらも、農林水産省としては異例の「アニマルウェルフェア」という答弁文言を用いて、国内においてはアニマルウェルフェアを意識した取り組みをしていることを示唆しました。
事実、「農林水産省といたしましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、家畜衛生の観点から農林水産省動物検疫所が検査を行っております。(消費・安全局長)」、との発言で政府としてギリギリともいえる遠回しな答弁で、犬肉禁止に理解をにじませました。
慣例として、政府答弁は前例踏襲を基本とすることから、新たな政策課題については遠回しに賛否を表明しますので、この答弁は前向きな内容といえます。
世界愛犬連盟が世界で展開する活動を日本政府も意識し始めているのではないか、そう感じられる政府答弁でした。