伴侶動物の殺処分が存在する日本

環境省は、2020年4月から2021年3月までの1年間、全国の保健所で殺処分された犬猫が2万4千匹あまりであると公表しました。 新型コロナウイルス対策で多忙を極める保健所は、感染症対策を優先することから、例年に比べ公表が大幅に遅れました。

飼育放棄や多頭飼育崩壊などで保健所に持ち込まれる犬猫が後を絶たない中、殺処分寸前となる犬猫の「命を救う」のは民間やボランティア組織であり、今や行政は民間の力なくしては保護を進めることが出来ません。

全国的な傾向として、北海道など動物愛護団体が活発に活動を進める地域では殺処分率が6%台にとどまるものの、逆に長崎県などの動物愛護団体が少ない地域では殺処分率が71%になるなど、地域間格差が拡大しています。

地域の保健所や環境省は民間の力を借りなければ殺処分数ゼロを達成できないことを十分に認識していますが、そうはいえども行政のメンツが立ちはだかり、民間の活力を十分に生かし切れていないとの意見が大勢です。

そもそも日本の法律では犬猫は「物」です。犬猫を盗めば「窃盗」であり誘拐にはあたりません。犬猫を傷つけても「器物損壊」になるのです。 日本は諸外国の法制度を見習い、そろそろ犬猫が「物」ではなく、人間の伴侶動物として代えがたい存在であることを認識するときです。 日本も含め、アジア諸国で続けられている犬猫の食用利用は、迷信と道徳教育の不束であり、時代遅れのものです。

世界愛犬連盟は、犬猫が伴侶動物として、人間生活に欠かせない存在であることを伝え続け、日本の政治・行政が目覚めていくよう活動を展開していきます。

写真:法務省旧本館から環境省を望む