ウクライナの人々が、戦争で犬や猫を連れて家から逃げ出す姿を見て、多くの人が涙しました。自分の身の危険を顧みず、伴侶動物を無視する人は決して許されませんが、動物を置き去りにするのが嫌で逃げるチャンスを諦めた人は、永遠に尊敬され、記憶に残ることでしょう。台湾で実際に起こったケースは、動物のための災害救助法を改正するきっかけとなりました。
2009年、台風12号(モーラコット)は台湾に甚大な被害をもたらし、人々の心に残る物語をいくつも残しました。ある犬の飼い主の遺体を救助隊が捜索したところ、6匹の犬が飼い主を取り囲んでいたのです。この物語は広く拡散され、多くの人々が犬と人間の愛に感動するのと同時に、同じ悲劇を繰り返さないことを決意したのです。
2020年、世界愛犬連盟(WDA)を含む多くの動物保護団体が合同で、災害救助法の改正に動物の人道的救助を盛り込むことや、動物保護法の動物の人道的救助の特別項を改正することなど、動物に対する人道的救助を呼びかけました。2022年5月4日、5日の両日に改正案がまとめて審議されました。
立法院は提言の中で、「台湾は地震地帯に位置し、毎年のように台風や大雨に見舞われる。災害救助計画は、法律で保護が義務づけられている動物も対象とすべきである。」と述べました。 残念ながら改正案は可決されませんでしたが、災害救助当局や動物保護当局に、災害救助計画や災害対策に動物救護を盛り込むことを検討させ、今後の立法を促進させるという付帯決議がなされました。
世界愛犬連盟の創設者である玄陵は、災害時の動物の救助と避難に常に関心を寄せています。これもまた、動物福祉を考える人たちの一致した願いなのだと思います。