野良犬がいない国はドイツやスイスなど世界でもごくわずかで、その数を管理するための最適な方法として、去勢手術が広く認知されています。農業省は毎年、去勢手術プログラムに資金を割り当てていますが、それでも2020年の野良犬の数は155,869頭で、2年間で1万頭近くも増えています。このことを踏まえ、農業省は毎年、野良犬の数を減らすために、より効果的な計画の実施を決定しました。
調査によると、台湾の野良犬の多くは捨てられたペットだそうです。2015年に動物保護法第22条第3項が追加され、「飼い主はペットを去勢すること」と規定されたのも、このためです。残念ながら、ペット登録制度と同様、この去勢義務化法も厳格に施行されていないため、政府がペット犬や野良犬の去勢手術を補助しているにもかかわらず、野良犬の数は減るどころか、むしろ増えているのが現状です。
農業省は、台湾科学技術大学(NTUST)デザイン学部のチームに、野良犬の去勢手術を推進する2大動物保護団体を調査し、そのプロセスを記録・分析し、去勢手術プログラムの標準作業手順書を作成するよう依頼しました。
NTUSTが行った調査では、去勢は「人材育成」「強度取締」「安定維持」の3段階に分けられると結論付けています。
強度去勢手術の理論によれば、野良犬の発生源を効果的に食い止めるためには、各地域の犬の去勢手術率が80%以上でなければならないことになっています。
専門チームによる組織的な去勢手術に加え、個人の力も見逃してはなりません。台湾ハートでは、この可能性に着目し、野良犬や野良猫を捕まえて去勢手術のために動物病院に連れて行き、捨て犬や捨て猫であることが確認される場合いには、協会が去勢手術費用を全額負担するプログラムを開始しました。