WDAは韓国の犬肉禁止を積極的に推進

9月初旬、世界愛犬連盟(WDA)は、農林畜産食品部長官宛てに「韓国における犬肉禁止への切なる願いと懸念」を伝える提言書を送りました。韓国政府はまだ、犬肉を禁止にする時期やそれによる補償に関する問題に対処できていないため、WDAは以下のような分析と見解を示しました。

WDAによる韓国の犬肉産業の分析によると、2021年の犬肉産業の利益額は、韓国の総GDP額の1/10,000(1万分の1)以下であるのに対して、韓国の国際的なイメージには大きなマイナス影響を与えることが分っています。そして、犬肉産業で働く人の数は1万人以下であり、3年以内に犬肉産業を完全廃止できるならば、それは現政権の快挙といえます。

また、WDAは、具体的な策として、犬肉禁止の法制化に伴い、今後3年間は既存の犬農場や犬販売店に臨時のライセンスを発行し、合法的に運営させるものの、犬肉の販路拡大はできないものとする。そして、3年間の猶予期間終了後には、政府の福祉政策として、犬農場への一定額の補償、転職支援、関連税制や低利融資を行うことを提案しました。

一方、韓国国内では(第19、20、21)の3期に渡り、動物愛に溢れるハン・ジョンエ(韓貞愛)議員、第19代環境大臣でもあった彼女が動物愛護法の改正案を提出し続けています。先月行われたコリアデイリーのインタビューでも、犬肉禁止の法制化は一朝一夕にはできないが、根気よく続ければ、必ず成功すると語っています。

議員によると、動物保護に対する国会の姿勢は以前とは大きく異なっており、第19回国会では殆どの議員が動物保護には関心を示さなかったそうです。しかし、今は全く違い、議員自身はあまり関心がなくても関係者の意見に積極的に耳を傾け、国民の動物福祉向上の要求の高まりに追随するようになっています。もっとも韓国の議員達は国民の半歩先を行っているはずだと考えています。

しかしながら、現在、韓国の国会では犬肉禁止の法制化に大きな困難があります。例えば、議論から可決までのプロセスに時間がかかりすぎです。また、農水省の所管域には犬農場で働く人が多く、あまり多くの人の生活に影響を与えたくないということで、意見の対立が大きく、法案の成立が遅れています。それでも政府はこの問題を放置せずに、社会的なコンセンサスを通じて積極的に取り組むべきだとハン議員は考えています。また、犬肉問題への対処を先送りにすべきではありません。国会が多くの動物の苦しみを見ながら、対策を講じないのでは、国民の理解を得ることはできません。

ハン・ジョンエ議員は現在、犬猫の食用目的の屠殺や廃棄を許可した者が刑事罰を受けるように、「犬猫の屠殺禁止法」の成立を積極的に働きかけています。

WDAは、韓国の犬肉禁止法案の強力に支持し、韓国の国会議員とともに時代の流れに乗り、同国での立法を積極的に推進していきます。